慶應義塾大学体育会所属団体JSKSラグビーフットボールクラブ｜日本最古の学生ラグビークラブ

　１９７４年卒業の後藤さんからOB便りが届きました。

　福岡県豊前市の市長に就任して4月でちょうど一年になりました。豊前市といってもJSKSの皆さんには「どんなところ？」って感じではないでしょうか。豊前を「ぶぜん」と読まずに「とよまえ」と読まれた方、東北の方は「とよさき」と読んだ方もおられるのでは、と拝察しています。
　豊前市は瀬戸内海の西端、周防灘に面した福岡県内28市で最も人口の少ない2万7千人余の小さな市です。大分県境に位置し、われらが母校慶応義塾の創始者福沢諭翁の育った中津市の隣にあります。
　国の天然記念物ツクシシャクナゲの群生する犬ヶ岳、修験道の求菩提山の山峰にいだかれ、緑の大地と豊饒の海からの恵み豊かな地です。かつて筑豊の炭鉱を支えた坑木の荷揚げ港である宇島(うのしま)港があり、石炭火力の時代を経て現在は石油火力のエネルギー基地です。日産自動車九州、トヨタ自動車九州とダイハツ自動車九州の各組み立て工場が市を取り巻くように立地し、豊前市内にも多くの部品関連工場が操業しています。
　こんな「田園都市」である豊前市の自慢は豊かな自然を活かした「森林セラピー基地」(国の認定)でのウォーキングや農村民泊。修験道の色彩強い伝統の神楽。さらにエビ、カニ、イカやアサリ、カキなど豊富な魚介類。とくに来年には東九州自動車道が開通し、福岡市と1時間余で結ばれることからこれらの魚介類を水揚げ後に現地で直売、加工、そして食することができる場を整備します。ここが海の六次産業化、豊前の「海の幸の基地」となります。ここでは４百種の魚介類を産する海の環境、魚貝の生態、漁師さんの漁法などが学べる部屋も備えます。
　東京都市圏には新宿区の方で進めている江戸野菜の内藤トウガラシ、内藤カボチャとの縁をいただき豊前市の柚子とコラボの柚子コショウなど新作が進出しています。先月は「豊前と江戸の交流会」も実施して豊前を売り込んでいます。これからもJSKSのみなさんとのご縁を活用させていただき、小さな豊前市を大きく育てていきたいと思っています。応援してください。よろしくお願いいたします。
 
豊　前　市　長　　　　　
後　藤　元　秀     
 
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